小さな柑橘類であるシークヮーサーは、沖縄県や台湾に自生する柑橘類の一種で、古くから地域の人々の生活に深く根付き、食材や薬として広く利用されてきました。
シークヮーサーという名前は、沖縄の方言「シー(酸っぱい)」、「クヮーサー(食べさせる)」に由来しており、別名「ヒラミレモン(平実檸檬)」とも言われます。
果実は、ビタミンCを豊富に含んでおり、風味が豊かな酸味が特徴です。果汁は料理や飲料に利用され、特に夏場には爽やかな飲み物として人気があります。ビタミンCを多く含むため、その薬効成分は、風邪予防や消化促進、疲労回復はもちろんですが、近年の研究で果実に含まれるノビレチンという成分(フラボノイドの一種)に、血糖値の上昇を抑える働きがあることが分かっています。その他にも、ノビレチンには発がん抑制作用や、慢性リウマチの予防や治療にも効果があるとされています。
また果皮から抽出される精油には、高い抗酸化作用と抗菌作用など多様な効能があり、さらにそのフレッシュで爽やかな香りには、気分を明るくし、ストレスを軽減する効果もあるため、特に現代のアロマセラピーやスキンケアで重要な位置を占めています。特にストレスのたまりやすい現代社会において、心身のリフレッシュやリラクゼーションに適しているでしょう。
名前 | シークヮーサー / 和名:平実檸檬(ヒラミレモン) (Shekwasha Citrus) |
学名 | Citrus × depressa |
科名 | ミカン科 |
抽出部位 | 果皮(冷圧搾法) |
主な成分 | リモネン、ノミリン、フラボノイド |
ノート | トップノート |
香り | さわやかでフレッシュな柑橘系の香り |
利用法 | アロマテラピーとヨガを賢く使う |
禁忌 | 光感作性があるため、使用後の直射日光は避ける |
リモネンとノミリンという成分を多く含んでおり、これらの成分がシークヮーサーの特徴的なフレッシュでさわやかな香りと効能をもたらしています。交感神経を活性化してくれるので、気持ちをリフレッシュしたり、明るく前向きな気持ちにしたいときに有効です。また免疫力を高め風邪予防をしてくれたり、胃もたれからの回復などにも良いとされています。
こころへの作用
リモネンの含有量が高いため、気持ちを明るくし、リフレッシュさせる効果があります。ストレスや不安を和らげ、気分転換やリラクゼーションに良いでしょう。また緊張や不安を和らげる効果から、心に安定感をもたらし、集中力や記憶力の向上をサポートするとも言われています。
からだへの作用
リモネンの作用により、消化器系の働きを活発にし、胃の調子を整えて、消化促進や食欲増進の助けとなってくれます。また、抗酸化作用により、免疫力の向上や老化防止にも寄与します。さらに、抗炎症作用があり、筋肉痛や関節痛の緩和にも役立つので、運動後の筋肉のケアにも良いとされています。
その他にも、成分のノビレチンやタンジェリチンは糖尿病や高血圧などの生活習慣病に効果的です。
スキンケア
リモネンの抗酸化作用により、シワやたるみの予防にも期待できます。また、抗菌作用と抗炎症作用があるため、ニキビや吹き出物などの肌トラブルの改善に効果があります。肌の油分バランスを整える作用もあり、脂性肌や混合肌のケアによいとされています。
その他、ポリメトキシフラボノイド(PMF)には、美白作用、マトリックスメタロプロテアーゼや紫外線誘発性炎症因子の産生を抑える作用などがあると言われています。
※マトリックスメタロプロテアーゼとは
胚発生、形態形成、生殖、組織再吸収および組織再構築などの種々の正常な生理学的プロセスに不可欠な酵素で、炎症、関節炎、心臓血管疾患、線維症および癌のような病理学的プロセスにも関連しています。
禁忌
【光毒性のある精油】
光感作性があるため、使用後に直射日光に当たることは避けてください。
※水蒸気蒸留法などで抽出した一部のオイルには光毒性がないものが市販されていることもありますが、使用上の注意をご確認ください。