フランキンセンス精油

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「エッセンシャルオイルの王様」とも冠されるフランキンセンス。
様々な名を持ち、乳香やオリバナム、ルバーンと呼ばれることもあります。

名前の由来であるフランキンセンスは中世フランス語に由来し、「真の香(franc:本物の、incense:香)」を意味します。その上品で落ち着きのある香りは、古くから神聖なものとして扱われ、古代エジプトやバビロニア、ヘブライ文明において、神殿や教会などで宗教的儀式で浄化する香りとして使われてきました。
新約聖書の中にも、イエス・キリストの誕生を祝う品として東方の三博士(東方の三賢者: Magi Bring)が黄金、没薬(もつやく)と共に乳香(フランキンセンス)を捧げたとされており、これは古代では王や神を称えるための贈り物とされていました。

そして別名、乳香とも呼ばれる所以は、ボスウェリアサクラ(フランキンセンスの木)の樹皮に傷をつけると染み出てくる樹脂が「乳白色」をしていることから。フランキンセンスは精製するのに非常に手間暇がかかる精油で、この乳白色の樹脂を数週間かけて”涙滴状”に固まった時点で採集します。そこから固まった樹液を水蒸気蒸留法を使ってエッセンシャルオイルを抽出していきます。

精製前の涙滴状の樹脂は、涙を意味するティアドロップとも呼ばれ、古代エジプトでは、キフィ(心を癒やして眠りを誘う香り)に使われたり、黒く炭化させた樹脂を女性の目元などのアイラインメイクに使用したともされています。またクレオパトラはスキンケアにも使用していたと伝わっています。
 

特徴のまとめ
名前フランキンセンス
(Frankincense)
学名Boswellia carterii
科名カンラン科
主要産地オマーン / イエメンなど
抽出部位樹脂(水蒸気蒸留法)
ノートベースノート
香りウッディーな樹脂系とスパイシーさが混ざり、すっきりした感覚が僅かに残る香り
利用法アロマテラピーとヨガを賢く使う
禁忌妊娠初期は避けるべき精油

 エッセンシャルオイルの効果・効能

フランキンセンスは深い呼吸を促し、心を穏やかにする作用がある精油で、古代より教会の儀式や瞑想などに用いられてきた香りです。肺を浄化する作用や鼻の通りをよくしたり、気管支炎、花粉症などの呼吸器系の障害などもやわらげます。また、子宮を強壮し不正出血を改善したり消化を促し胃もたれを改善するなど、多くの作用があります。

KOKORO(心)

上品さのあるスパイシーで深みのあるウッディ調の香りは、古くから教会や宗教儀式などの瞑想に使用されてきたように、フランキンセンスの香りは胸部の緊張を緩和して呼吸を深くしてくれる作用があるので、イライラや不安、心の乱れを取り除き、心穏やかに気持ちを集中させてくれるのに役立ちます。

KARADA(体)

呼吸を楽にするので、身体の緊張をほぐすのにも役立ちます。また鎮痛作用もあるので、鼻やのど、肺などの呼吸器系の炎症を抑え、ぜんそくや風邪、気管支炎の咳の症状の緩和に期待が持てます。また、去痰作用もあるので、痰の排出も手助けしてくれるでしょう。
加えて、うっ滞除去、利尿作用によるデトックス効果や消化器官の働きを良くし消化を促進する効能、神経系への鎮痛作用によるリウマチや腹痛、月経痛を和らげる効果などがあるとされています。

OHADA(肌)

「若返りのオイル」とも呼ばれているフランキンセンスには、血行促進作用や老廃物を排出する作用、抗炎症作用、収れん作用(肌を引き締めてしわやたるみの改善して皮膚の再生を活性化)があるのでエイジングケアや肌荒れの改善に効果的です。
ホホバオイルなどで1%以下に希釈し、マッサージオイルとして使うのもおすすめの利用法です。
(*お肌に使用する場合は、出来るだけ自分で調合せず、市販のマッサージオイルを使用するようにしましょう)

禁忌

基本的には安全な精油ですが、妊娠初期の使用は避けてください

※アロマテラピーは医療ではありません。天然の香りは心身の健康に良い作用をもたらすと認められていますが、不調改善を保証するものではありません。
事故やトラブルに関して責任を負いかねますので、あくまでも自己責任にてご使用をお願いいたします。持病をお持ちの方、妊娠中の方、お子様に使用する場合や、その他使用に不安のある方は、専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。

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