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ローマンカモミール(ローマンカモミール)精油の歴史は古く、古代からさまざまな文化で尊ばれてきた貴重な精油で、古代エジプトでは、太陽神ラーへの供物として捧げられ、その高貴な香りと薬効が評価されていました。ローマンカモミールという名も、ローマ人がこの植物を特に好んだことから名付けられたとされています。
古代ギリシャやローマでは、ローマンカモミールの花を摘み、沐浴や薬草茶として用いていました。そしてヒポクラテスなどの古代の医師たちも薬用植物として記録を残しています。
ローマ人はこの花を「地上のリンゴ」と呼び、リンゴのような甘い香りが心身をリラックスさせるとして活用していたそうです。
中世ヨーロッパでは、修道院の庭園などで薬草として広く栽培されるようになり、民間療法の基礎が築かれました。病気の治療や心の安らぎを求める人々にとって、ローマンカモミールは欠かせない存在となっていったようです。
精油の抽出が技術的に可能になったのは近世以降で、花から抽出された精油は、心身のバランスを整えるために用いられています。今日では、アロマセラピーだけでなく、ハーブティーなどの分野でも人気があり、そのリラックス効果が多くの人に支持されています。
近年の研究では、ローマンカモミール精油には抗炎症作用、抗菌作用、そして抗酸化作用があることが明らかにされています。これにより、精油はストレスの軽減、不眠症の改善、消化器系のトラブルの緩和など、幅広い健康上の効果をもたらすことが確認されています。特に、心身のリラックスを目的としたマッサージや入浴剤として使用されることが多く、肌に対する優しい作用が敏感肌のケアにも役立っています。またスキンケア製品にも多用され、炎症を抑える作用が敏感肌やトラブル肌のケアに適しています。これはアンゲリカ酸エステルやビサボロールといった主要成分が、肌のバリア機能をサポートし、肌を健やかに保つ役割を果たすためです。
このように、心と体の両面で健康を促進するための自然な方法として広く利用されている人気の精油です。
名前 | ローマンカモミール/ローマンカモミール (Roman Chamomile) |
学名 | Anthemis nobilis/Chamaemelum nobile |
科名 | キク科 |
抽出部位・方法 | 花・葉(水蒸気蒸留法) |
主な成分 | アンジェリカ酸イソブチル、アンジェリカ酸イソアミル、アンジェリカ酸メチル、アンジェリカ酸-2-メチルブチル、イソブチル酸イソアミル、イソアミル酸イソブチルなど |
ノート | ミドルノート |
香り | フルーティーな甘さのリンゴのような香り |
利用法 | アロマテラピーとヨガを賢く使う |
禁忌 | わずかだが神経毒性あるため妊娠中の使用は避けること。 菊科ですので、菊アレルギーがある方は注意 |
甘くほのかにアップルの香りがするカモミールは安眠効果やリラックス効果があげられますが、その他、温める作用もあるので発汗作用やPMSの緩和、風邪予防などにも使われることがあります。
また緊張やイライラ感を取り除いてくれるくれるので、安眠作用も期待できます。
Kokoro(心)
ローマンカモミール精油には、心を穏やかにし、不安やストレスを軽減する効果があります。主成分であるアンゲリカ酸エステルが神経系に働きかけ、心身の緊張を和らげ、深いリラクゼーションを促します。この作用により、不眠症や不安神経症の改善にも効果的とされています。
Karada(体)
体への影響として、ローマンカモミール精油は消化器系の機能を整え、胃痛や消化不良を軽減します。カマズレンという成分が胃の筋肉をリラックスさせ、胃腸のガスを抑制するため、健やかな消化をサポートします。また、ビサボロールは抗炎症作用を持ち、体内の炎症を抑える働きがあります。
OHADA(肌)
敏感肌や炎症肌に対する優れた鎮静作用を提供します。アンゲリカ酸エステルとビサボロールが肌の炎症を和らげ、乾燥やかゆみを抑えます。また、皮膚のバリア機能をサポートし、肌を健康的に保つ効果があります。
禁忌
キク科植物に対するアレルギー反応
精油に含まれるカマズレンやアンゲリカ酸エステルは、一般的には安全とされていますが、一部の人にはアレルギー反応を引き起こす可能性があります。特にキク科植物に対するアレルギーがある方は注意が必要です。
また、妊娠中や授乳中の女性は、ホルモンバランスに影響を与える可能性があるため、使用を避けることが推奨されています。
事故やトラブルに関して責任を負いかねますので、あくまでも自己責任にてご使用をお願いいたします。持病をお持ちの方、妊娠中の方、お子様に使用する場合や、その他使用に不安のある方は、専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。