ローズマリー精油

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ローズマリーは、地中海沿岸地域を中心に自生する1〜2メートルほどの濃い緑色の針葉常緑樹。小さくかわいらしい青紫色の花を咲かせます。
学名は、「Rosmarinus officinalis」で、これはラテン語の「海の霧」を意味する「ros marinus」という言葉から来ています。
それはローズマリーが海岸に自生していることと、その特徴的ともいえる清涼感とスパイシーさの香りの中に、「海から吹く風のような爽やかな芳香」に由来しているためだそうです。

ローズマリーが使われてきた歴史は古く、古代エジプトやローマでは痛みを和らげる効果があることなどから、神聖な植物として崇められていました。
中世ヨーロッパには、風邪や消化不良の治療、さらには心臓の刺激剤として使用されたり、その香りの高さから悪臭を消すために使われたりもしたそうです。さらに悪魔払いの象徴として家の入り口に飾る習慣があったとも言われています。
18世紀に欧州ではペストやコレラなどの病気が流行していた頃に医療や衛生の改善が求められ、様々な植物がもつ抗菌効果が注目されており、その中でもローズマリーは消毒剤として使用されるようになりました。当時のドイツの医師であるクリストフ・ヴィルヘルム・ハフナーは、ローズマリーを含む様々な植物を用いた消毒剤のレシピを著書にまとめ、その効果を紹介しています。また、イギリスの医師であるウィリアム・コッラーは、ローズマリーの蒸留水を消毒剤として使用することを推奨し、医療現場での使用を広めました。
2003年にには、認知症やアルツハイマー病の予防に効果があるとイギリスのノースンブリア大学の研究チームが発表しました。これは、ローズマリーに含まれる成分のロズマリン酸が、脳内のアセチルコリンという物質を増やす作用があり、さらにカルノシンという成分により神経細胞を保護する作用があることからです。

このおうにローズマリーは、医療や美容、アロマセラピーなど様々な分野でその効果が高く評価されている精油のひとつとして注目を集めています。

特徴のまとめ
名前ローズマリー
(Rosemary)
学名Rosmarinus officinalis
科名シソ科
抽出部位花・茎・葉(水蒸気蒸留法)
ノートミドルノート
香り強いフレッシュなハーブの香り
利用法アロマテラピーとヨガを賢く使う
禁忌妊娠中・授乳中は避けてください。発熱時、高血圧・てんかん症、幼児も避けるべき精油です

 

 

 エッセンシャルオイルの効果・効能

高い強壮力と抗酸化作用から「若返りのハーブ」として知られています。
血液循環を促す効果にも優れ、さまざまな器官の働きを活性化し、温め効果があるので、冷えや低血圧にも効果的な精油です。また時差ボケや生活のリズムを取り戻すのにもよいとされています。

Kokoro(心)

ローズマリー精油に含まれる1.8-シネオールは、リラックス効果があり、気分を安定させる作用があります。また、α-ピネンは、神経を刺激して気分をリフレッシュさせ、注意力を高める効果があります。さらに、カンフェンには、神経を刺激して気分を活性化させる効果があります。これらの成分が相乗効果を発揮し、心を落ち着かせ、リラックスさせることができます。

Karada(体)

精油に含まれるカンフェンは、血管を拡張させ、血流を促進する効果があります。これにより、血液や酸素が体内を循環し、筋肉の緊張を緩和させる効果が期待できます。また、カンファーには、抗炎症作用があり、痛みや腫れなどの炎症症状を軽減する効果があります。さらに、免疫力を高める効果があるロズマリン酸も含まれており、身体の健康をサポートすることができます。

OHADA(肌)

精油に含まれるカンファーには、抗炎症作用があり、ニキビやかぶれなどの肌トラブルを改善する効果があります。また、アルファピネンには、殺菌効果があり、肌の清潔を保ち、トラブルの予防に役立ちます。さらに、ロズマリン酸には、抗酸化作用があり、肌の老化を防止する効果があります。これらの成分が相乗効果を発揮し、健康な肌を保つことができます。

禁忌

高血圧の方は避けるべき精油
精油に含まれるカンフェンには血圧を上昇させる可能性があります。高血圧の人は、使用を避けるべきです。

妊娠中や授乳期は避けるべき精油
ローズマリーに含まれるカンフェンやピネンなどの揮発性成分が子宮収縮を促進する作用があるため、早産や流産の原因になる可能性がります。
また、カンフェンやピネンなどの成分は、母乳中にも分泌され、成分が授乳期の乳児の肝臓や脳に影響を与える可能性があるとされています。

癲癇患者の使用は避ける
ローズマリーに含まれるカンフェンやカンナビディオールは、神経系に影響を与えることが知られています。そのため、癲癇患者の一部では、これらの成分が発作を引き起こす可能性があります。
カンフェンは、脳内の興奮性神経伝達物質であるグルタミン酸を減少させることで、神経興奮を抑制する作用があります。しかし、癲癇患者では、神経興奮が過剰になることがあるため、カンフェンがその反応を抑制することで、逆に発作を引き起こすことがあるとされています。
一方、カンナビディオールは、神経系の活動を調節する作用があり、適切な量で使用される場合には、癲癇発作を抑制することができます。しかし、一部の癲癇患者では、過剰なカンナビディオール摂取が、発作の増加や悪化を引き起こすことがあります。

※アロマテラピーは医療ではありません。天然の香りは心身の健康に良い作用をもたらすと認められていますが、不調改善を保証するものではありません。
事故やトラブルに関して責任を負いかねますので、あくまでも自己責任にてご使用をお願いいたします。持病をお持ちの方、妊娠中の方、お子様に使用する場合や、その他使用に不安のある方は、専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。
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