柚子精油

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料理を引き立てるために添えられたり、寒い冬には柚子風呂のようにお風呂に入れたりなど、日本人にとってはとてもなじみのある香りの柚子。
もとは中国(揚子江上流の地域)が原産の常緑高木で飛鳥から奈良時代ごろに日本に伝わったと言われています。しかし近年は日本での消費量、生産量が共に世界一位となっており、そこから取れる精油自体も和精油の「YUZU」として表記されるほどで海外からの注目が集まっています。
柚子は成長が遅く、その実をつけるまでに15年以上もの歳月を要すると言われ、また栽培の管理も難しいため、非常に価値のある精油と言えるでしょう。

日本では冬至になると柚子の実を浮かべた「柚子風呂」に浸かる風習があり、そのことが江戸時代後期の1838年(天保9年)に発刊された書籍「東都歳時記」に記されています。おそらく庶民生活の安定していた江戸中期ごろが「柚子湯」の始まりではないかと考えられます。
ちなみに当時の江戸社会では、冬至になると災いを取り除き、一年の幸福を祈る「星まつり」というものが行われており、その日には銭湯などで湯治(「冬至」にかけた言葉)をし、来年も融通する(「柚子」にかけた言葉で健康で万事うまくいく)年になることを願ったと言われています。

このように、日本人は無意識のうちに健康のためと考え柚子風呂に入っていましたが、現在になってその効果が研究でも分かってきており、果皮から湯舟に溶け出す成分のリモネンやγ-テルピネンが自律神経のバランスを整え、リラックスや疲労の回復の効果に作用しているためだとされています。

特徴のまとめ
名前柚子(ゆず)
(Citron)
学名Citrus junos
科名ミカン科
抽出部位果皮(圧搾法 / 水蒸気蒸留法)
主な芳香成分リモネン(70~80%)、α-ピネン(微量)、γ-テルピネン(~10%)
ノートトップノート
香り少し苦みのある甘いシトラス調の香り
利用法アロマテラピーとヨガを賢く使う

 

 エッセンシャルオイルの効果・効能

柚子は古くから柚子風呂などで使われ、日本人にはなじみ深い香りです。柚子に含まれるリモネンには血行促進作用があり、冷え性などにも有効とされています。また新陳代謝を促進する効果や肌に潤いを与える保湿作用、疲労回復の効果があります。

KOKORO(心)

温かみのある柚子の香り成分「リモネン」は自律神経のバランスを整えてくれるので、不安や緊張をほぐし、心身をリラックスさせたい時などに良いとされています。
 

KARADA(体)

日本では昔から冬至の日に柚子湯に入ると「風邪をひかない」と言われていますが、これはユズにはリモネンやα-ピネンによる血行促進作用や体を温める効果があるためです。
それらの効果に加え、利尿作用、新陳代謝を高める働きもあるので、冷えやむくみ、肩こり、腰痛、関節痛など血行不良から起こる不調の改善、さらには疲労回復などにも役立ちます。
またそれらに加え、リモネンには胃腸の蠕動運動を高める作用があるので、食欲不振や便通の解消にも良いでしょう。
 

OHADA(肌)

血行促進作用による肌のくすみ取りや殺菌効果による肌の改善などが期待できますが、精油には光毒性があるので直接肌への塗布はせず、市販の化粧水やクリームなどを安全なものを使用しましょう。
※水蒸気蒸留法で生成された柚子精油は圧搾法で生成された精油よりも光毒性は低いですが、精油自体を直接肌に塗布することはお勧めしません。

禁忌

光毒性があるため、使用後は直射日光に当たらないようにしてください。
また高濃度のものは皮膚への刺激を感じることがあります。敏感肌の方は注意してください。

※アロマテラピーは医療ではありません。天然の香りは心身の健康に良い作用をもたらすと認められていますが、不調改善を保証するものではありません。
事故やトラブルに関して責任を負いかねますので、あくまでも自己責任にてご使用をお願いいたします。持病をお持ちの方、妊娠中の方、お子様に使用する場合や、その他使用に不安のある方は、専門家や専門医に相談することをお勧めいたします。

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